可愛くない同居人。
「・・・ごめんなさい、ごめんなさい」
誰に謝っているんだろう。
「痛い・・・」
誰に傷つけられているんだろう。
私は凜の気持ちを落ち着かせ、安心させるように手のひらをギュッと握りしめ、声をかける
「凜、大丈夫、大丈夫だよ。凜は悪くない。私がそばにいる。私があなたを守ってあげるよ」
凜は重たげな瞼をゆっくり開き、ジッと私を見つめた。
「・・・おば、さん?」
「なに?」
「・・・夢のなかで、あなたが僕を、呼んでました」
「うん」
「あの・・・手」
「あぁ、ごめん!イヤだった、よね」
離そうとしたら、ギュッと力強く握り返された。
「・・・あったかい、です」
そう呟くように言って、再び凜は眠りについた。