可愛くない同居人。
「食べれないことはないですね」
私から目線をそらし、ぼそりとつぶやいた。
「じゃあ、どんどん食べて、早く元気になろう!」
そう言って、はいっと、もう一度おかゆをすくったスプーンを凛にむけた。
少しの沈黙のあと、凛は頬を赤く染めながら嫌がった。
「まだ続ける気ですか!?自分で食べれます!!」
「こういう時は、素直に甘えなさい」
「嫌です!あなたなんかに甘えるだなんて僕は絶対に」
「いいから、つべこべ言わずに、ほら、あーん」
凛はしばらく私を睨みつけたあと、観念したのか、「この借りは必ず返してやりますから」と悪態をつきながら食べた。