可愛くない同居人。
シャワーを浴びた後、朝ごはんを食べずに、いつもより早く会社へむかった。
「おっはよー薫!珍しく来るの早いじゃん!」
「陸か・・・相変わらず朝から元気ね」
「お前は朝から暗いなあ!どした?なんかあったか?」
「ちょっとね」
陸は私の幼馴染で、小学校、中学校、高校と見事に一緒で、驚くことに会社まで一緒になった。
「んだよ!話してみろって!」
「あんたに話したところで解決しない」
「バカにすんなし!」
「バカじゃん」
「うるせえ!」
陸とはいつもこんな感じで喧嘩のような喧嘩じゃないようなやりとりをする。
兄弟のような存在である。
「朝から夫婦喧嘩ですか?」
「「違います!!」」
「楽しそうですね」
ふふっと大人びた笑みを浮かべる佐々木さんは、今日も爽やかで素敵だ。
私にとって憧れの上司である。