可愛くない同居人。
秘書に仕事に戻るよう言われ、私は自分の席に着いた。
「社長、なんだって?」
興味津々という感じで、陸が聞いてきた。
「あんたには関係ない」
「んだよそれ!あーつまんね」
陸が文句を言っているのが耳に入らないぐらい、私の頭の中は、社長が言った言葉ー君になら、凛くんを救えると思ったからだーがグルグルと巡った。
「・・・い!おいっ!」
「んあ!?な、なに?」
「お前、本当にどうしたんだよ?」
陸が珍しく心配してくれた。
「ごめん。なんでもない」
私はできるだけ笑顔で答え、今日は早めに帰ろうと思った。