可愛くない同居人。
第二章
とおり雨。
結局あの人も一緒。
みんな、一緒。
期待なんてしてはいけない。
希望なんて持ってはいけない。
今も、昔も、これからも、きっと、ずっと、ずっと。
冷たいものが頬に落ちた。
涙なんて優しいものではなく、雨だった。
小降りだったものが、だんだん激しさを増して、僕の体をずぶ濡れにした。
「ママ、今日の晩ごはんはなあに?」
「そうねぇー、あっちゃんが大好きなハンバーグにしよっかな」
「ほんとう?やったー!」
幸せそうな親子が仲良く並んで傘をさし、通り過ぎていった。
僕は時間を忘れるぐらい真っ暗な空を見上げ続けた。