可愛くない同居人。
かけ直すわけにもいかないだろう。
携帯電話を元の位置に戻し、再び台所にむかい、おかゆを作った。
凛の眠っている部屋に静かに入り、机の上に置こうとした時、もそもそと凛が動く音が聞こえた。
「・・・おば、さん?」
「凛!?気分はどう?大丈夫?しんどくない?」
だるそうに上半身だけ起こす凛に、私は駆け寄った。
「僕は・・・」
「公園で倒れてた。お医者さんが休めば大丈夫って」
「そうですか。・・・すみません、迷惑をおかけして」
凛はそう言うと、弱々しく立ち上がった。
「休んでなきゃダメよ!」
「僕はもう大丈夫です」
苦しそうに咳をしながら部屋を出て行こうとする。