可愛くない同居人。
そんなに弱った体で何処へ行こうとするのか。
「全然大丈夫じゃない!ベッドに戻って!」
「大丈夫です、これぐらい」
咳をしながら崩れ落ちそうな凛を支える。
「お願いだから、ベッドに戻って・・・」
「僕なんかに構わないで下さい」
「なんで・・・なんでそんなこと」
凛は鋭く私を睨みつけ、冷たい声で言った。
「あなたのお世話になるのが心の底から嫌なんです」
私の腕を振り払い、部屋を出て行った。
少しして、玄関の扉が開く音が聞こえた。
追いかければ、間に合う。
けど、何故か私の足は鉛のように重く、全く動かなかった。