可愛くない同居人。
社長はこの前と変わらない優しげな顔をして、私を迎えた。
ソファーに腰掛けるよう促されたが、私は立ったまま話を始めた。
「凛が、帰ってこないんです!連絡も取れなくて、私、どうしたらいいんでしょうか」
「凛くんが、帰ってこない?落ち着いて、何があったか話してくれるかい?」
ありのままのことを話した。
社長は何度も相槌をうち、真剣に話を聞いてくれた。
「そうか、そんなことが」
「私、きっと、凛を知らず知らずのうちに傷つけてしまったんです」
「君のせいじゃないよ」
「私のせいです」
「大丈夫、君は悪くない」
私の目から涙が零れた。