可愛くない同居人。
速攻腕に抱きつき、指を絡めてきた。
期待に答えるように、その指を唇にあてる。
「凛くん、くすぐったい」
そう言いながらも、とても満足げである。
僕は指を唇から離すと、目を細め、微笑んだ。
「麻奈美、今日は凛くんとずっと居たいな」
「僕も、麻奈美さんのおそばに居たいです」
そう言って、麻奈美の瞳をじっと見つめる。
麻奈美は少し頬を紅くすると、そっと耳元で囁いた。
「店・・・出よっか?」