可愛くない同居人。
麻奈美と腕を組みながら歩いていると、女の人の悲鳴に似た声が聞こえた。
また誰かがもめているのだろう。
深夜のこの街では日常茶飯事だ。
さっさと通り過ぎようとした時、聞き覚えのある声がした。
「嫌がってるじゃない!やめなさいよ!」
あの人だった。
「お前は関係ないだろ!?」
「ないけど、あるの!」
「はぁ?意味わかんねぇ」
泣いている女の子を庇うように、あの人が男三人組に立ち向かっていた。