可愛くない同居人。

僕も去ろう。

そう思ったが、遅かった。

あの人が、ものすごい力で僕の腕を掴んでいた。


「・・・凛、だよね?」


あの人の声は、今にも泣き出しそうなぐらい弱々しく、震えていた。




「また絡まれた危ないですよ。もうこの街には入らないことをオススメします」


「はい!助けてくださりありがとうございました!」

あの人が庇った女の人は街の外へ走った。


「あなたも」


逃げたらどうですか、そう言おうと振り返って、ギョッとした。


「凛・・・ごめんね、あた、あたし・・・」



なんで



「なんで・・・泣いているんですか」

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