可愛くない同居人。
心のどこかでホッとした自分がいて、少し嫌になる。
「変な誤解させちゃったし、気遣わせちゃったね。ほんとにごめん」
悪いのは、謝らなければいけないのは、僕だ。
分かってる、けど。
「本当に悪いと思っているのなら僕の腕を離して下さい」
「あ、うん。ごめん」
素直になれない。
むしろ、悪態をついてしまう。
「お腹すきました。早く帰りましょう、おばさん」
「!?う、うん!帰ろう帰ろう!おばさんじゃないけどな」
そんな僕でも素直に接し、笑顔をくれるあなたと
「って、ごめん、凛」
「?」
「さっきの恐怖で足が震えちゃって動けないいい」
一緒に帰っても
「・・・あの威勢の良さは見かけだけだったんですね。ダサ」
「なっ!!」
「ほらっ、僕につかまってください。今回だけ特別におぶってあげますよ」
いいですか。