可愛くない同居人。

「えーと、凛くんだっけ。改めまして、俺、藤原 陸って名前で、薫の幼馴染。こいつと同居だなんて可哀そうだから、俺のとこに来るか?」


「なんで可哀そうなの!?私と暮らせて凛は幸せなはずだよ!あんたのところなんか危なかっしくて凛を渡せない!」


「えーと・・・」


陸さんは楽しそうな表情をしているため、あの人をからかっているのが分かるが、あの人は陸さんの言葉を真に受けているのか、どこか必死である。


「お前料理下手くそだし、家事苦手だし、凛くん絶対迷惑してるぞ」

「そ、それは・・・」


確かにあの人の料理は、お世辞にも美味しいとはいえない。

家事も僕のほうが多くする。



「昔っから、お前は不器用だよな。小学校の時の調理実習で指を怪我したり、火傷したり、フライパン引っくり返したりで大騒ぎしたよな」


「あ、あれは仕方がなかったの!てゆーか、そんな古い話引っ張りださないでよ!」


「最近のならいいのか?コーヒーをこぼして大事な書類を」

「あーもう、うるさいうるさい!!」

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