可愛くない同居人。
「大丈夫」
そう何度も言っていると、徐々に凛の震えがおさまっていった。
「ちょっとは落ち着いた?」
「・・・はい」
そろそろ嫌がるだろう。
抱きしめるのをやめようとしたら、凛がわずかに体を私にすり寄せ、くっついてきた。
「もう少し・・・このままでいて、下さい」
「わ、私なんかでよければ!」
私はさっきよりやや力を強め、ギュッと抱きしめた。
凛が私なんかを頼ってくれたことが、ただ単純に嬉しかった。
「おばさん・・・あったかいんですね」
「凛もあったかいよ」
「・・・陽だまりみたい」
「凛は」
暗闇に、ぼんやりと私の目に映る、綺麗な金色の凛の髪。
まるで
「月みたいだね」