可愛くない同居人。
翌日の朝、私と凛は無事助け出された。
助け出される前、私たちは眠ってしまっていたようで、作業服を着たお兄さんたちに起こされたのだった。
「会社、今日は休んじゃおー」
変な寝方をしたせいか、身体中が痛い。
「・・・あの」
「あー、凛も学校休んじゃう?」
「昨日は、ありがとうございました」
「へ?」
「た・・・助かりま、した」
あの凛が、私にお礼を言うなんて。
私は思わず頬をつねった。
痛い。うん、どうやら夢じゃないようだ。
「なんて間抜けな顔をしてるんですか」
「いや、だって、凛が私にありがとうだなんて、ありえない!」
「失礼なおばさんですね」
「へへっ」
「何笑ってるんですか気持ち悪い」
「いつもの凛にもどって、嬉しい」
私はそう言って更に笑った。