可愛くない同居人。
悩んだすえ、凛には悪いが飲みに行くことにした。
「大丈夫!行こう!」
「よっしゃ!じゃあ、桜木っていう居酒屋知ってるよね?そこ集合で」
「はーい、了解!」
手にとっていたアイスをもとの位置に戻し、スーパーを出て、集合場所へむかった。
夜でも街は暑い。
昼よりははるかに涼しいが、それでも暑い。
会社帰りのサラリーマン達をよけながら桜木を目指す。
数十分歩けば看板が見えたが、光の姿はなかった。
先に中に入ったのだろうと思い、扉を開いた。
ガヤガヤ騒がしい店内を見渡し光を捜す。
「おーい!薫!こっちこっち!」
個室から顔をひょっこりだし、手を振っていた。
久しぶりに見たその笑顔に安心感を覚え、私は急いで駆け寄った。