可愛くない同居人。

ビールやら枝豆やら居酒屋では定番な物を注文し、飲み会は始まった。

酒もはいり、盛り上がりは初めから絶好調である。


「薫がさ、成績ピンチすぎて、みんなで勉強付き合ってあげたの覚えてる?」

「覚えてる!それのおかげで、学年一位とったけど、陸が今度は成績下がって」

「そーそー!部活で先輩に怒られるわで悲惨だった」


学生の頃の思い出話に花が咲き、一通り話終えると、次はそれぞれの最近のことについての話題に移った。


「光はバリバリ働きまくってるの?」

「うん。もう忙しすぎてヤバイよ」

「ひっか、好きな人とかぁ彼氏とかいないのぉ?」

「いない!てか、それどころじゃないぐらい忙しい!」

「へぇー、大変ですなあー」

「かおりんはぁ?」

「私!?」


どうしてだろう。




一瞬、ほんの一瞬だけ、凛の顔が浮かんだ。


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