とある霊能力者の仕事
「っ!?」

思わず目をそらしました。

ベッドは4本の足があるタイプです。

つまり下に空間があるのですが、その中に、いろいろな黒いモノが詰まっていて、蠢いていたのです。

まるで虫かごに無理やり詰め込まれた虫達のように、ギッシリと。

「部屋に誰か入って来た時、コレでも抑えてはいるんだけどねぇ。中々大人しくしてくれなくて。いや、参った参った」

と、全く参っていないように、彼女は笑い飛ばします。

「あっ、だから部屋には誰にも入らないように言っているの?」

「うん、そう。部屋の主無しでは、好き勝手しているから。それに私以外の人に入られると、せっかくの結界も効果が薄れちゃう」

「あなたは……霊能力者、なの?」

「ん~。半分正解、かな? 正確には私一人の力じゃないの。私の中で飼っているモノの影響と言った方が正しいかな? 多分コレがなきゃ、私には何の力も無いと思うし」

彼女は自分の肩をポンポンと叩きました。
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