Love days


「ちょ、こないでよ」


これ以上もう下がれない。



私のすぐ後ろには、
ひんやりと冷たい壁。



前には、真剣な顔をした桜井くん。




これは、やばい。


桜井くんが一歩、また一歩と近づくにつれ、


焦りが増していく。






「ほんとに待って…


みんないるし……」



そう言ったのとほぼ同時に、
桜井くんの手が私の頬に触れた。





顔を近づけて、言う。



「じゃ、誰もいないとこならいーんだ?」


クスッと笑う桜井くん。

呆れる私。




「そーゆー意味じゃないんだけど」



< 26 / 35 >

この作品をシェア

pagetop