輝くあの子は僕の恋人
プロローグ
何が僕らを引き合わせたのだろう。僕はただのしがない旅館の支配人で、彼はテレビや映画でスポットライトを浴びている人気俳優。

彼の姿はテレビでよく見る。出演している番組もCMもすごい数だから。彼がテレビに出ない日はない。

あの頃の僕は、そんな彼のファンでもなんでもなかった。ただ普通に、笑うと可愛いな、なんて。

年齢よりも幼い印象の眼差しはどこか凛としていて、若者らしい言動の中にもどこか気品ようなものがある。そんなことを考えていたあたり、あの頃から僕は彼に惹かれていたのかもしれない。

けれど、その時の感情と今の感情は明らかに違うものだ。

僕は彼に惹かれている。
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop