想い
「美咲くん!!今何時だと思ってるんだ!」
バイト先につくなり、上司の怒鳴り声が仕事場にひびきわたる。
「すみません!あの、いろいろトラブルが起こりまして…」
「言い訳なんかききたくない!!とっとと持ち場につけ!!」
「はい…、すみませんでした…」
今日はホントに散々な日だ。
車には引かれそうになるわ、元カレにあうわ、バイト遅刻して遅れるわ…。
「なにおちてんだよ」
バイト仲間の泉谷が、私の肩をポンッと叩きながら、となりにきた。
泉谷とは長い付き合いだけど、一度も恋愛感情をもったことがない。
よく二人で飲みに行って、へべれけになるまで飲んだりするが、決して男と女の関係にはなったことがない。
お互い異性と思ってないのだ。
「いやさぁ、和人にあったんだよね。朝。」
「マジで!?で?どうだった!?」
「……彼女と一緒にいた。」
「うわぁ、朝からご愁傷様だな(笑)」
「うるせぇよ!」
思わずもっていたファイルで、泉谷の頭をたたいた。「コラッ!!そこむだぐちたたくな!!」
上司の怒鳴り声がまた響きわたった。
「すみませーん。」
泉谷が悪びれることなく、軽く謝る。
「和人、私と会ってどうおもったんだろう…」
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