想い
「よかったら助手席くる?」
なんのきなしに、聞いてみた。きっと、「いや、いいです。」って言うに違いない。
「えっ?あ、はい!」
意外な返事がかえってきた。美咲は後部座席を降り始める。
ゴンッ!!
「いてっっっ!!」
よほど動揺してるのか、美咲は車の屋根に頭をぶつけてしまったようだ。
「大丈夫!?」
「あの!心配しないで下さい!私ドジだから結構頭ぶつんで!」
といいなが、美咲は恥ずかしいそうに、笑いながら俺の隣に座った。
初めて見る美咲の笑顔。
こんな風に笑うこだったんだ…。
それから車のなかで、他愛もない話しでもりあがり、とうとう美咲の家についた。
「ありがとうございました。」
心なしか寂しそうな顔をしている。
「よかったらこれから、トライブしない!?」
「え?…」
「いやかな、俺とのドライブ。」
「全然!凄く嬉しいです!」
美咲のこの真っ直ぐな笑顔に俺は惹かれ初めてた。
そして、ドライブ中にわかったことは、美咲は俺のことが嫌いで無愛想だったのではなく、むしろその逆。俺に惚れて、緊張していたらしい。
俺は思わず美咲を抱きしめた。
「もう、お前は俺のだから」
素直じゃない俺の精一杯の告白だった。
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