想い
「あいつ元気にしてんのかなぁ…」
ふと、昔の想いでにひたりすぎて、りかのことすっかり忘れてた。
急いで車のキーをとり、りかがまつ駅えとむかった。
「おそーい!!」
駅につくなり、みかは口をとがらせ、ふくれた顔をして俺の車に乗り込んできた。
「元はといえば、お前が急によびたすから…」
「あ、パルコにむかってね!」
少しはこっちの話もきけよ…。
若干のいらだちと、あきれからか、運転があらくなる。
目の前の信号が黄色だったが、アクセルを力一杯ふんだ。
「和人!人!!」
「わ!!!」
キキーッッ!!!
すんでの所で、人を跳ねずにすんだが、電柱に車をこすり、俺の愛車に白い一本線ができていた。
「あぁ……、新車だったのに…」
先月買ったばかりの、俺の新車。
すっかり意気消沈していると、りかがすごい剣幕で車をおり、引きそうになった女に、なにやら文句をいっている。
よく見えないが女は必死に謝っていた。
スピードを出していた俺も悪いわけだし、なによりりかの説教は長くて終始がつかない。
「しゃあない。止めにはいるか。」
はぁ、と一息ため息をつきながら、車を降り止めに入った。
< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop