天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
尾行されていると気づかない雛菊は、真菜と会話を弾ませている。

(くぅ~!あんなに楽しそうに会話して!雛菊ちゃん恋する乙女の瞳じゃないですかっ!)

悔しがる秋帆。

しかし実際は…。

「凄いね真菜ちゃん!そんなにかっこよく男の子に変装できるなんて!」

既に雛菊は相手が真菜の変装である事を知っていた。

だから安心して手を繋いだりもできるし、親しく会話も出来るのだ。

「妹の玲菜とこうやってデートごっこする事もあるし、こういうのは慣れてるんだよ、ほら」

そう言ってさりげなく雛菊の腰に手を回す真菜。

「きゃーっ!照れるぅっ!」

相手が真菜とわかっていても、嬉し恥ずかしで雛菊ははしゃぐ。

数メートル後ろで秋帆が歯軋りしている事など知らない。

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