天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
さて、これで残るは秋帆のみ。

その秋帆はというと。

「……」

例のキャリーカーの中で読書にふけっている。

本日の一冊はドストエフスキーの『死の家の記録』。

朝から重い。

そうこうしていると。

「!」

キャリーカー内のアラームが鳴る。

そろそろ修学旅行の集合時間らしい。

(時間ですか…)

気だるげに本にしおりを挟み、閉じる。

(全く…僕は学校行事よりも日がな一日読書に24時間を費やしたいというのに…そもそも集団行動自体が僕は…)

考えながらキャリーカーの覗き窓から外を見て。

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