天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ

人通りの多い大通りを離れ、一本狭い路地へ。

「ねぇねぇ、真菜ちゃんは妹さんとどんなデートごっこするの？」

雛菊が興味津々といった様子で訊ねる。

「んー？結構凄い事するよ？膝枕してもらったり、わざと人前で抱き締めてみたり」

真菜は悪戯っぽく笑う。

「そこまでのするのっ？すごぉい！」

「別に大した事じゃないよ、見た目はカップルでも、女の子同士だし姉妹だもん。全然恥ずかしくないよ？」

とはいえ、そう言って前髪を掻き揚げる真菜の仕草は完璧に二枚目俳優だ。

道行く若い女の子達が、思わず振り返ってしまうほどに洗練された仕草である。