天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
(NOOOOOOOOOO!)

頭を抱えて悶絶する秋帆!

(その唇は僕のもんだぁぁあぁあっ!雛菊ちゃんのファーストキスは僕が貰うんだぁああぁっ!)

そんな約束は誰もしていないが。

居ても立ってもいられず、いよいよ止めに入ろうとしていた時だった。

「そこの兄ちゃん」

今にもキスしそうだった真菜と雛菊を、数人のムカッチャパピリア人が取り囲む。

腕にタトゥーを入れていたり、品の悪いアクセサリーを身につけていたり、柄の悪そうな男達だ。

「俺らの縄張りで、イチャイチャしゃあがって。どこのバカップルなら、お前ら」

言葉遣いも悪い。

明らかに真菜達に絡んでいる。

「チッ…いいとこだったのに…」

軽く舌打ちして男達を睨む真菜。

その視線は完全に『男』のものだ。

「何よ…せっかくデートごっこ楽しんでたのに邪魔して…」

格闘一家の丹下の血が騒ぐのか。

雛菊も普段からは考えられない鋭い眼で男達を睨む。

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