天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
(仕方ない…)

もう一度目を擦り、眼鏡を掛け直す。

(残念な結果にはなってしまったけど、僕にもこれだけの勇気を出せる事がわかったんです…それだけでも今回は収穫でした…)

なるべくポジティブに考えようと努めるものの。

「…っっ…」

やっぱりジワリと涙が浮かんできてしまう。

(情けないぞ、僕!フラレたくらいで泣くなんてっ)

奥歯を噛み締め、何とか涙を堪えようとしていると。

「あ、泣いてる!」

突然の声。

秋帆が顔を上げると。

「!」

雛菊が戻ってきていた。

< 153 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop