天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
「ちょっと、大丈夫?泣くほど痛いの?」

秋帆のそばに座り、手にした小瓶の蓋を開ける雛菊。

「私が普段使っている薬用の化粧水…日焼けした肌に少しは効くといいんだけど…」

彼女はそう言って、少量出した化粧水を秋帆の赤くなった肌に塗りつける。

「……」

呆けたように、秋帆は雛菊の顔を見た。

「雛菊ちゃん…それを取りに行ってくれていたんですか?」

「そうだよぉ、他に何しに行くっての?」

雛菊は当然とばかりに頷く。

…安堵の溜息をつく秋帆。

(よかった…呆れられた訳じゃ…嫌われた訳じゃなかったんだ…)

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