天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
「え…」

思わず耳を疑う。

「好き…なんですか?僕の生っ白い肌が?」

「何で?綺麗じゃない、秋帆君の肌」

ニパッと笑う雛菊。

「私なんていっつも外でスポーツとかしてるから、すぐ黒くなっちゃってさあ…女の子なら憧れるよ、秋帆君みたいな白い肌…だから…」

彼女は秋帆の手に触れる。

「日焼けなんかしなくても、そのままの秋帆君でいいと思うな…私、好きだよ?秋帆君の肌」

「っっっっ…」

秋帆は見る見るうちに天にも昇るような気持ちになる。

雛菊は『秋帆の肌が好き』と言ったのだ。

が、御都合主義の秋帆イヤーはそうは聞き取らなかった。

『日焼けなんかしなくても、そのままの秋帆君でいいと思うな…私、好きだよ?秋帆君(の肌)』

カッコ内は切り捨て。

しかし、いいのである。

今の秋帆にとっては、それだけでも十分に幸せな一言だった。

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