天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
照れ臭いわ翻弄されるわだが、どことなく嬉しそうな秋帆と雛菊。

しかし旅館ロビーでいつものノリは、天神学園の評判を海外でまで地に落とす事になる。

「仲間の幸福を祝う…麗しい友情、素晴らしいですね」

コロコロと笑う月。

その傍らには、どこから持ってきたのかデッキブラシを携えているイリア。

「まぁ旅の恥はかき捨てと申しますが…これはいささか度が過ぎますねぇ…イリアさん?」

ニッコリと微笑んで命じる月に。

「かしこまりました、月様」

イリアはスチャッとデッキブラシを構える。

「無双メイド流デッキブラシ術、僭越ながら披露させて頂きます」

槍術よろしくデッキブラシを振り回し、ロビーに蔓延る生徒達を薙ぎ払っていくイリア。

デッキブラシで擦り、払い、突き、押し倒す。

阿鼻叫喚の旅館ロビー。

まるでロードローラーの如く突進するイリアによって、大騒ぎする生徒達は瞬く間に一掃された。

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