天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
(チェッ…)

一人旅館の外へと出て、不機嫌に溜息をつくチカ。

(秋帆と雛菊ちゃんめ…幸せそうな顔しちゃってさ)

確かに仲間同士がめでたく結ばれたのは嬉しい。

特に秋帆は、あんなに熱烈に雛菊の事を想っていたのだ。

その想いが報われたというのは、友人として喜ばしい事には違いない。

しかし…。

(羨ましいな…あんなに人付き合いが下手な秋帆でも彼女が出来るのに…)

ギュッと握り拳を作る。

(何で僕には彼女できないんだろ…秋帆よりもずっと社交的な筈なのに…)

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