天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
別にチカが侵略行為等を働いて、惑星を滅亡させた訳ではない。

惑星を監視する側の人間である彼が、そのような無法を働く筈もない。

だがチカには、同じノルディック星人でも水無瀬兄弟とは決定的に違う点があった。

(イライラするなぁ…)

それは異性と上手く付き合えていないという点。

皇帝こと水無瀬 遥は性格的に異性には然程固執していないし、その弟の陽は特定の異性はいないものの、そのプレイボーイぶりを発揮して適度に女遊びを繰り返している。

だが、チカは素材こそいいものの、何故か上手く異性と付き合えていない。

これまでの滞在先の惑星全てにおいてそうだった。

トークも、ルックスも、性格も、決して悪くないというのに、不運にも特定の異性に恵まれない。

そして次第にチカにはストレスが溜まっていく。

< 167 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop