天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
「そんな事どうだっていいの!」

真菜がバンッ!とテーブルを叩く。

珍しく鼻息荒い真菜に、他の面々が、おおっ、と目を丸くする。

「能力分析よりも、まずはチカの行方と事態の収拾でしょ?みんなチカが心配じゃないの?」

「……」

月は無言のまま。

(本心からチカさんを心配していますねぇ…これはこれは…真菜さん…)

でも密かに真菜の心を『読んで』いたり。

「外は暴風雨だけど…微かにチカさんの匂いがする…割と近くにいるみたい」

出麼の体に巻きついたまま、久し振りに甃が喋る。

野生動物は流石に嗅覚が鋭い。

「しかもこの旅館の中…上から匂いがする」

「上というと…屋上でしょうか」

イリアの言葉に、月がコクンと頷いた。

「行ってみましょう」

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