天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
もう取り付く島もないし、にっちもさっちもいかない。

説得しようとしても、チカは機嫌を損ねる一方だ。

旅館そのものがミシミシと音を立てるほどの暴風雨。

こんな凄まじい嵐が、世界中で起きているというのだ。

地球滅亡が近いと言われても頷ける。

「ちょっとちょっと!これって本格的にやばくない?」

雛菊がオロオロする。

「観測史上稀に見る規模の暴風雨と推察しました!こんな地球規模の嵐なんて聞いた事がないです!」

吹き飛ばされないように手摺りにしがみつきながら秋帆が叫ぶ。

「くっ…」

月がチカの心を読むが。

「駄目ですね…苛立ちと嫉妬で怒り狂っています…説得なんて聞く耳もちそうにありません」

八鶴の話術でさえ通じないのだ。

最早チカの説得は不可能に近かった。

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