天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
やがて一行はバスターミナルに到着。

バスに乗り込んだ八鶴は、さりげなく雛菊の隣に座る。

「で、秋帆はどない?」

上手い。

話の流れでそれとなく秋帆の事を訊く八鶴。

話術はなかなかのものだ。

「…………」

しばしの沈黙の後。

「秋帆って…誰だっけ?」

ガビン!と効果音のつきそうな表情で、秋帆が雛菊の席の後ろで引っくり返る。

無論雛菊は気づかないが。

「ほ、ほれ…『僕と修学旅行に行って下さい!』言うてた…」

八鶴の言葉に。

「あーあー、あの人かぁ」

天然なのか、雛菊はようやく思い出したという顔をした。

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