天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
早朝五時。

学園の校庭に集合した雛菊。

既に数台のバスが停車している。

このバスで空港まで向かい、空港からムカッチャパピリア共和国の首都、ムカッチャスチャラカにある空港へとひとっ飛びという手筈なのだ。

…校庭には既に集合している2年の生徒達がちらほら。

「えっと…」

大きな鞄から旅のしおりを取り出し、雛菊は確認する。

(私は確か、白神さんの班だったと思うけど…)

白神 月(しらかみ つき)。

天神シリーズの読者ならば、最早説明の必要もあるまい。

品行方正、公明正大(噂)な我らが天神学園生徒会長。

この学園で彼女に目をつけられるという事は、レーザー光線装備のスパイ衛星で宇宙から狙い撃ちされるに等しい。

それ程に頼りになり、またそれ程に恐ろしい天神学園ヒエラルギー頂点の一人だった。

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