天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
しばらく部屋を見回した後、月はドアを閉じて部屋を出て行く。

「いやぁ、危なかったで」

布団の中から顔を出す八鶴。

「間一髪セーフだったね」

真菜も、ふぅ、と溜息。

「よし、じゃあさっきの続きを…」

チカが起き上がろうとした直後。

ガチャ。

また突然入室してくる月。

「ぐぅ…」

全員咄嗟に寝たふり。

「…話し声が聞こえた気がしましたが…やはり気のせいですか」

またパタンとドアを閉じて月が出て行く。

「あっぶね…まだ近くにいたんだね」

万里が額の汗を拭った直後。

ガチャ。

「ぐぅ…」

三度入ってきた月に、コンマ数秒の反射神経で寝たふりを決め込む。

また出て行く月。

「うお、マジで危な…」

ガチャ。

「ぐぅ…」

パタン。

「どうなってんのっ?月さん地獄耳じゃな…」

ガチャ。

「ぐぅ…」

…完全に月に弄ばれているっぽい。

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