天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
月は見えぬ盲目で部屋の中を隅々まで凝視する。

(きゃーっ!今度は出て行かないじゃん!)

心の中で叫びながら、布団の中で寝返りを打った雛菊は。

(~~~~~~っっ!)

更に声にならない悲鳴を上げる。

何と、同じ布団の中に秋帆も潜り込んでいた!

「何やってんの秋帆君っっ!」

小声で叫ぶ雛菊。

「誤解ですよっ!僕の方がこの布団に先に入ってたんですっ!」

秋帆も小声で弁解する。

そのそばを。

「「!」」

月がゆっくりと歩く。

見つかればジェノサイド確定。

雛菊も秋帆も、勿論他の面々も。

ここは息を殺してやり過ごすしかない。

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