天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
「いいですか?皆さん」

正座を続けて痺れきった雛菊の足を。

「いぃいいぃいいいいっ!」

月は指先でチョンと突っつく。

「楽しい修学旅行も、ルールとマナーを遵守してこそです。自由と無法を勘違いしてはいけません。その辺り、ご理解頂けているでしょうか?」

「ちょっ!月さん、だめっ!今触ったらっ!足っ!足痺れっ!いぃぃぃぃいぃっ!」

「え?何ですか雛菊さん?ちゃんとご理解頂けていますか?」

「頂けてますっ!ごめっ!はひっ!ごめんなさい生徒会長サン!」

これまた涙目で許しを乞う雛菊。

その様子を、他の面々はガクブルもので見守る。

(鬼や、悪魔や、ドSや…)

(ごめん雛菊ちゃん、君を助けてあげられない非力な僕を許して下さい…)

(凄いサディスト…独裁者みたい)

それぞれ心の中で呟く八鶴、秋帆、出麼の三人に。

「何か仰りましたか?」

月は一番魅力的な時の笑顔を浮かべてコロコロ笑った。

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