君のためにできること
「天国ってどんなところだろう?」


なつきは、腕の中で呟いた。


「縁起でもないこと言うなよ」


「だって」


「お前は助かるんだ。生きるんだ。勇気を持てよ」


なつきは答えるかわりに、腕の中で眠りについていた。


俺は、そっと頭をなでた。


「勇気か・・・」と、俺は呟いた。


窓の外には夕闇が迫っていた。
< 58 / 95 >

この作品をシェア

pagetop