君のためにできること
冬も本格的に、半ばに入り、街中でも、雪景色が見え始めた。


シエルと街を歩いていると、ケーキの特売がやっていたので、覗いて見た。クリスマスには、まだ、期間はあるのに、サンタの格好をした店の店員が、モンブランをすすめてくれたので買った。


シエルは嬉しそうに、モンブランの入った、袋を抱え、隣りを歩いている。


こうやって見ると、なつみの思念が入っている少女とは思えない。なぜ、なつみがこの少女を選んだのか、わからない。何か、霊感が強いという他に、特別なものがあるのだろうか?


「なつみは、なぜお前を選んだんだ?」と、俺は訊いてみた。


「・・・それは」


「それは?」


「私は、なつみが助けてくれた犬だから」


「・・・犬?」


「そう、私をあの時、事故から助けてくれたのは、なつみなの。その犬の生まれ変わりが私」


「そんな・・・」


こんなオカルトな話しがあるかと、言いたかったが、今までの状況を考えるとありえる。


「オーケー。もう何でも信じるよ」


シエルはほんの少し微笑んだ。




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