星屑の中
プロローグ
「っはぁ、はぁ……」
――午前1時30分。
暗い家の中、一人の少女が大量の汗をかき、ベッドの上に飛び起きた。
「あの夢……。最近、見なかったのに………」
小さく呟かれた声は、酷く弱弱しくて掠れたもので。
彼女が小さく動くたびにサラサラと揺れる、透き通るような金色の髪。
彼女はその髪を見て、小さく息を吐いた。
…儚げな、小さなため息を。
「もう二度と、同じことは繰り返さない。……そうでしょう?愁斗…」
窓から見える闇夜に包まれた世界を、少女は何処か悲しげに見つめていた。