星屑の中


「……何」

私の視線の先には、私の手―……ではなく、私の手を掴む性悪男の手。

学校に入ろうとした途端、この性悪男に手を掴まれ、私は学校に入れなかったのだ。


彼は私の顔をじっと見て、何か考えているようで、私の質問には答えない。

「…だから、何」

二度目の質問により、彼は「あぁ」と頷き、また黙り込む。

(本当に、コイツ何なんだ)


たっぷりと間を開けて、彼は

「君、この学校の生徒?」

等と言った。

「…はぁ?制服着てるんだから、見ればわかるでしょ」

呆れてそう返すと、彼は「そうだよな…」と言う。

(何なの?)

目の前の男の考えていることが全く分からない。

仕方なく、私は黙って彼の次の言葉を待った。
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