星屑の中
「何年何組の、何て名前?」
たっぷり二分ほど待ったところで、彼が言った。
(……はぁ?)
私は一瞬驚きに固まったが、暫くしてからはっと我に返り、
「…あんたに、関係あるの?」
と、冷ややかに返した。
あるわけないよね、だって初対面だもの、と一人で考えにんまりと笑っていると
「あるけど」という返事が返ってきた。
「……は、あるの?」
予想外の返答に、私は唖然とする。
「あぁ、あるよ。俺が気に入ったから」
「…はぁっ!?」
「そうそう、それから…」
ありえない、と固まる私を無視して話を進める男。
(…信じられない。何この男)
当たり前ながら、私の耳に男の話は聞こえていなかった。