星屑の中
「………て事で、今から行くぞ」
「えっ、何処に!?」
全く話を聞いていなかった私は、急に男に手を引かれて我に返った。
「何処にって…、今言っただろ」
そう言って、もう一度説明してくれることはなく、私は何処かへ拉致された。
* * *
「もう授業始まったんだけど」
何処かに向かって歩き始めて数分後、私はこの学校に来たことを猛烈に後悔していた。
(それに……。この学校……広すぎっ!)
そう、私たちは校内に入ってからもう五分は歩いているはずなのに、目的地についていなかった。
(まぁ、その目的地も分からないんだけど)
男に気づかれないように、私はもう一度小さく溜め息をついた。