星屑の中
暫くして、男はある部屋の前に止まった。
どうやらこの部屋が目的地らしい。
(よし!とっとと話を終わらせて、とっとと逃げよう!)
そう思った私は、頭の中に、今まで通ってきた道を思い描いた。
(あ………れ……?)
そうして気付いたことが一つ。
(私帰り方分からなーーーい!!)
私がそう一人であたふたしていると、男はコンコン…とドアをノックし、
「失礼します」
とドアを開け、中に入っていった。
「おや、水無月くんではないですか。珍しい。何かありましたか?」
ドアの向こうから聞こえるのは、老人の声。
(……ん?老人?)
何故老人の声が聞こえたのか。
此処は一体何の部屋なのか。
それを確かめるべく、私はこっそりとドアの隙間から中を覗き込んだ。