最低王子と小悪魔女


「見つけた」


 声が聞こえるなり、視界がまっくらになった。
 目隠しをする手の大きさや温かさに、少しだけ鼓動が速くなる。

 問い質したりしなくても、その姿を見なくてもわかる。だてに長年幼なじみをやってない。


「なんで、ここに」


 バスケ部を見に来るなんて一言も言ってないのに。
 さっきだってノーテンキに、放課後のあたしのことを誘ったじゃないか。

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