最低王子と小悪魔女
 案の定、あたしの言葉を聞いて中城先輩は目を丸くしたけれど、それから気持ちのよい笑い声を上げた。


「えーっと、波月ちゃんだっけ? 男って、くだらないことにも真剣に自分を賭けたりする生き物なんだよ」

「そういうものですか?」

「そうそう。特に、好きな女の子に関することなら余計にね」


 好きな女の子。
 第三者にそう言われると、なんだか恥ずかしさ倍増だな。

 ……いや、時任君は、そういう話がなくもなかったけど、慎吾の場合は……

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