最低王子と小悪魔女

 それは、登校日に指定されていた夏休みのある日のこと。
 ひとりで屋上に来てね、なんていかにもそれとわかる呼び出しに応じて、放課してまもなく慎吾は指定された場所へ向かった。


 案の定そこには、緊張とほのかな……いや、かなりの期待を抱えて彼女が立っている。
 告白の詳細なんかは聞いてないし、知りたくもない。とにかく、『慎吾君も気があるっぽかったし、あたしと付き合わない?』みたいなことを言ったんだろう。


 が。
 それを断っちゃったんだな。あっさりスッパリと。

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